ライブを見終わった数週間はAC/DC熱が高く、繰り返し思い出に浸り、夜になれば酒を飲みつつ、何度も何度もCD、DVD、YouTubeなどでAC/DCを観る日々が続きました。
しかし、当たり前ですが日が経つに比例して、その熱も落ち着いていき、AC/DCを観る頻度も少なくなっていきました。
頻度も少なくなり、熱も平熱に戻り、それでも「今日はAC/DCでも聞くか」と思う夜には毎回こう思うのです。
「もうあれ以上の経験はないかも」
僕のAC/DCに纏わる今回体験した事が、あまりにも素晴らしかったので、思わずそう思ってしまいます。今までも、
【父にねだって初めて連れて行ってもらった米米CLUB】
【浪人中にも関わらず、内緒で横浜に行って観たブランキージェットシティの解散ライブ】
と自分の心に残るライブはありました。他にも沢山あります。
そのような宝物のような思い出の中に、今回のAC/DCも確実に自分の心に刻まれたのです。
時は流れ2014年11月の末。
AC/DCは『black ice』から6年間の時を経て新作『Rock or Bust』を全世界でリリースしました。
2015年から始まるワールドツアーでは、アンガスの兄であり、リズムギターのマルコムの健康状態が思わしくなく不参加、代わりにヤング兄弟の甥スティービィー・ヤングが代役を務める事になりました。しかし、トラブルは続きドラムのフィル・ラッドが不祥事を起こしバンドを離れ、代役で以前もサポートをしていたクリス・スレイドが加入しました。そして極めつけはボーカルのブライアン・ジョンソンにドクターストップがかかり、ワールドツアーを離脱、代役をアクセル・ローズが務めこのツアーをなんとか乗り切りました。そしてこんな状況に疲れ果てたベースのクリフ・ウィリアムズが「もう沢山だ」とツアー後、バンドから脱退します。
世界ではこれらのニュースがファンを一喜一憂させており、僕はこれらの情報を逐一チェックしていました。しかし、あの「black ice」の時の事が嘘のように、日本での盛り上がりがないと感じていました。
当然、日本に来るなんて噂も一切立たず「そりゃそうよな、スタンドガラガラだったもんなぁー」と冷静に受け止める自分いました。
そして「black ice」発売から6年の間に、自分の身にも沢山の変化が起こりました。結婚したり、その妻と一緒に喫茶店をはじめたり。でも、音楽は、バンドは辞めませんでした。最初はお店をやる事とバンド活動を続けるバランスを取るのが難しく、自分が悪いのですが不本意な事も沢山ありました。しかし、年数を重ねるに連れ、時間の使い方も上手くなり、本当に少しずつ余裕も生まれていきました。
そうやって喫茶店とバンドを両立させようと奮闘していた2017年11月24日、東京の下北沢ベースメントバーというライブハウスでやるイベントに誘われました。
何気なく、リハーサルに向けて準備をしていました。僕のバンドの順番はまだ後の方です。ステージではバンドが楽器のセッティングをしています。そうしていると
ジャーーーーーーン!!!
僕は耳を疑いました。文字では全然伝わらないのですが、このギターの音が
アンガス・ヤングそのものだったのです!
「まじか、アンガスの音や」
ステージを見ると、Marshallのアンプの前にちょっと小柄で細身の長髪ギタリストがいました。手にはGibson SGが握られていました。
この出会いから約4年後、突然登場したこのギタリストと色んな偶然の縁によって、僕のAC/DC熱が再び爆上がりし、このブログを書くに至るようになるのです。
あと少しで「AC/DCは5度、日本へやってくる」の前編〜喫茶野郎とAC/DC〜が終わります。引き続きよろしくお願いします。
今日のAC/DC
AC/DC Highway to Hell
色褪せない名曲!