半年がかりの大きな仕事が終わり、自分へのご褒美として3年ぶりにカラオケスナックへ行った。
時間制限なし、飲み放題、歌い放題、軽いおつまみがエンドレスでちょこちょこ出て、料金2,000円ポッキリの、都内23区にある店とは思えない良心的なお店だ。
月曜の夜だったが、近隣に住む常連客が続々と訪れ、21時を過ぎる頃には約20人のお客さんで店内はほぼ満席になった。 ソファ席の座り心地はよく、高齢の常連客さん達のカラオケを聴きながら、JINROを緑茶で割って呑んだ。
何から何まで味わい深すぎて、酒がすすむすすむ。 近所でスナックをやってるというママさん達が、自分の店が休みだからとお客さんと飲みに来ていた。
デュエットを歌う妙齢の男女。擬似恋愛ビジネスの極地。到達点。
カラオケスナックなのに自分の歌を2曲連続で入れてしまうおじいさん。
さっき歌ったばかりなのに、同じ曲をまた入れちゃうおじいさん。
365日の紙ヒコーキを歌う(しかも、ちょっとうまい)おばあさん。
「俺は今年で75歳なんだ」と自慢げに語り、気持ちよさそうに歌い、最終的に酔い潰れて動けなくなり、交番から駆けつけた警官4人に囲まれて「大丈夫ですか?動けなさそうなら一晩留置所で寝て行きますか?」と留置所に入れられそうになっていたおじいさん。
喜怒哀楽、悲喜交交、森羅万象、奇々怪界。
天国とか極楽ってこんな感じかもしれないと思った。 知らない人同士が集い、適度な距離感を保ちつつ、歌い、酒を飲み、笑う。
いつか、滋賀と東京の2拠点生活をするにあたり、生活の糧を得るための仕事は必要だが、 こういう極楽のような場所も近くにあるといいなと思った。
滋賀県で1番古い私立の図書館、江北(こほく)図書館が面白そうなことをしている。
何十年間、ずっと閉鎖されていた2階をきれいにして解放してイベントをしたり、古本市をしたり、 町の人たちと楽しそうなことをしている。 フェイスブックページにて情報発信をしているのを、たまに見ている。
図書館は、無料だからいい。
お金がなくても、子どもでも、お酒飲めなくても、カラオケが苦手でも、誰でも通える。
私は子どもの頃、友だちが少なかったり、運動が苦手で大勢のグループで鬼ごっことかドッジボールをして遊ぶのが嫌で、図書館によく通っていた。 司書さんとたまにお話するのがとても楽しかったし、おすすめの本を読んだりしていた。
ズッコケ3人組シリーズや、大どろぼうホッツェンプロッツ、漫画日本の歴史、漫画世界の歴史、全巻読んだのは放課後に図書館に通う子どもだったからだと思う。 学校の中の図書館は放課後閉まってたし。
スナックでも、図書館でも、喫茶店でも、神社仏閣でも、琵琶湖のそばでも、なんでもいいから、 家と仕事以外に、居心地のいい場所を滋賀でも見つけたいなと、そんなことをふと思った。
おしまい。