2022年7月26日、私は愛知県新城市にあるピアゴ新城店にいた。スガキヤのあるエリアに入ったからには一刻も早くスガキヤに行きたかったのだ。あのメニュー、そう「冷たいスガキヤラーメン」をどうしても味わいたくて、、、。
オーダーするのはもちろん「冷たいスガキヤラーメン」一択。そして、先日届いた「スガキヤ FAN BOOK(ファンブック)」のスペシャルパスポートを利用し、肉トッピングを追加した。
ランチタイムを過ぎたスガキヤはパートのおばちゃんのワンオペ。注文を受け付け手際よく調理し、数分で私は「冷たいスガキヤラーメン」と対面した。
これが通常のスガキヤラーメンとの違いは、スガキヤのチャーシューである肉の代わりに半月状にカットされたハムが4枚、そして温泉玉子的な半熟玉子がセンターにのり、メンマとネギが添えられる。器も通常のスガキヤラーメンと同じで、限りなく通常のスガキヤラーメンと似ている。
スープを一口、おおおお! これは! まさに! 「冷たいスガキヤラーメン」!! そう、もう完全に「冷たいスガキヤラーメン」というネーミング以外は不可能な、あの熱々のスガキヤラーメンを冷たくした存在だった。スープが美味しすぎるが、麺もこれまた旨い。冷水でしっかりとしめられコシの強さが特徴的な麺は、通常の麺ではなく冷やし麺系で使われている麺だろう。スープとの相性が抜群すぎて、もはや感動が抑えられない。
「冷たいスガキヤラーメン」は、なぜ肉ではなくハムなのか。その疑問は、実際に食べ比べをしてハッキリと理解することができた。スガキヤのチャーシューである肉は通常のスガキヤラーメンにベストであることは疑いようがない、その一方で「冷たいスガキヤラーメン」では肉を具材としてのせるとそのバランスが大きく変わってしまうのだ。もう少し具体的に述べると、肉の脂分が「冷たいスガキヤラーメン」にはベストと言いがたいのである。一方でハムには肉のような脂分は存在せず、爽やかでありつつ満足感を与える役割をしっかりと果たしている。そんなことも含め計算し尽くされている、それが「冷たいスガキヤラーメン」なのである。スガキヤファンブックでスガキヤフリークであるクセのありすぎる俳優・佐藤二朗氏がスガキヤのラーメンにおける「神のバランス」について語っているが、まさにこの「冷たいスガキヤラーメン」の神のバランスがこの具材なのである。ああ、佐藤二朗氏にもぜひ食してもらいたい、そして感想を聞きたい! はやく、鎌倉時代から2022年に帰ってきてください(?)。
ちょっとー、文字多過ぎじゃない、テンション高くなりすぎじゃない? それもそのはず、翌7月27日も私はスガキヤに行ってしまったのだ。
うまい、とにかく旨すぎる。私は東京・下北沢の街で冷やし麺特集も書いているが、比較にならねぇ、どう考えても「冷たいスガキヤラーメン」の圧勝だ。まあ、美味しさの面ではもちろん下北沢の飲食店の冷やし麺ももちろん美味しいけど、コストパフォーマンスを含めた総合力では勝ち目がない。まあ、そもそもあの街にはスガキヤも天下一品もねぇしな。
子供の頃から食べ続けてきたスガキヤのラーメン。豚骨と魚介のダブルスープでありながらこってりとはかけ離れた軽やかでありつつ旨味あふれる味わいは、唯一無二スガキヤを表す代表メニューであることは揺るがない。これまでも様々な種類のラーメンや冷やし麺を投入し続けてきましたが、このスガキヤラーメンを揺るがす存在は現れなかった。しかし、この「冷たいスガキヤラーメン」はその看板メニューと並ぶにふさわしいクオリティであると断言したい。スガキヤ76年の歴史に残るであろう逸品なのである。
残念ながら日常からスガキヤを味わっている人々に「冷たいスガキヤラーメン」の真のポテンシャルは伝わっていないと思われる。騙されたと思って、ぜひ、一度味わって欲しい。たぶん、あなたにおけるスガキヤの歴史が書き換えられる瞬間になるはずだ。そして、身近にスガキヤがない人々には、新幹線を使ってでもこの夏味わうべき存在であることを伝えたい。
この夏、東海圏にいる私は「冷たいスガキヤラーメン」を飽きるまで堪能したい。いや、決して飽きることはないだろう、そのぐらいの逸品であり、スガキヤ夏の定番になる事は間違いないだろう。
[2022/08/06追記]
今度はイオン豊川のスガキヤで再び「冷たいスガキヤラーメン」を食す、今回は麺の実力を感じるべく大盛りで。
3回味わうと「冷たいスガキヤラーメン」のそれぞれのお店での違いがハッキリしてくる。麺については、茹で時間・冷水で締める時間などの違いが顕著で、麺のコシはかなりばらつきがある。そして、スープについてはベースの味は変わらないが脂の状態に違いが感じられる、これはスープを準備・提供する際の温度が関係しているかもしれない。そこまでばらつきが大きいわけではないけど、温かい「スガキヤラーメン」と比べるとお店、というか作り手によって違いがある気がする。
まだ、何回か食べることになると思うので、今後は調理工程を勝手に観察したい。